■解決したい課題
サクセス事例を十分に自社で生み出せる組織づくりの方法を検討したいです。特に、カスタマーサクセスのエンタープライズ担当者の育成不足とサクセス事例の創出能力が課題です。
■事前情報
事業内容:エンタープライズ系サービスを提供するスタートアップ
従業員数:約80名
現在の事業を開始してからの期間:約5年(途中でSMBやMMからエンタープライズにシフト)
投稿主の立場:取締役
事業の顧客数:100社程度
■投稿した課題の背景
エンタープライズ向けのSaaSを提供しております。弊社のSaaSは、業務プロセスに組み込む系のものではないため、現在Nice to haveのサービスから如何にMust haveになれるかが勝負どころになっています。
特に弊社サービスは業務プロセスに組み込んだらOKというよりも、サービスを利用するクライアント担当者の運用知見、運用スキルによってサクセスの成否がかなり左右されるサービスです。つまり、クライアント担当者が参考にできる「顧客の成功事例」がどのくらい充実しているか?(種類や数、フェーズの網羅性)に、どれだけ納得してオンボーディングしてもらえるかがかなり大きく異なります。
加えてエンタープライズ領域でのクライアントが多く(以前はSMBやMMでしたが途中でピボットしてます)、リードタイムが長いので、いきなりサクセス事例を大きく増やすことができない状況です。現状は、限られた事例を武器にサクセス活動を推進しておりますが、どうしても「カスタマーサクセスの力量=サクセスの成否」となってしまうような図式が成立しております。
ここで現在問題になっているのが、エンタープライズのクライアントを十分に対応可能なCSメンバーが圧倒的に不足している点です。
元々は、エンタープライズをターゲットにしていなかったたことや、初期は資金が限られていため、比較的ジュニア層のメンバーを中心に採用し、現在15名程度存在するCSは2名を除き、20代の和変えてのメンバーで構成されています。
本来は、若手が多いということもあり、ミドル層やシニア層を中心にハイレイヤー・ハイクラスで、実行と戦略の両方で一定の品質を提供できる候補者を採用するというのがベストであることは理解しています。しかしながら、エンタープライズのクライアントに本格的にシフトしていく前に、ジュニア層で採用したメンバーの中から成果を出したメンバーをリーダーやマネージャーに昇格させてしまっております。
部長昇格者もすでに存在しており、ポジションに空きがありません。外部からハイクラス層を獲得しようにもポジションが埋まってしまって、見合う責務や役職を渡しづらいという状況になってしまっています。
一方で、すでに昇格したメンバーをなにかミスをしていないのにもかかわらず降格させるわけにはいかず、途方にくれています。
元々エンタープライズにメインターゲットを設定していなかった当時は問題なかったのですが、エンタープライズに会社として注力指定校となった際に、
案件のハンドリングスキル(プロジェクトマネジメント)
コンサルティングスキル
ドメイン知識(業界知見)
システム関連への知見
顧客の役職者層との交渉能力
といった点で、CSに期待されるスキルレベルがかなり上がってしまい、現行の昇格者も含めて要求レベルに到達しないメンバーが殆どになってしまったという状況です。今後のCSにおける要求レベルはさらに高まる可能性があるため、完全に組織の今後の方向性が詰まってしまい、正直どうしたらよいか困っております。
現時点で、クライアントの事例を作り出せると安心して任せることが可能なメンバーが私を除くと15人中1人しかおらず、今後のリテンションやアップセル、クロスセルの可能性を考えると正直絶望しかありません。
様々な人に相談してみたのですが、周りからは、現状役職者になっているメンバーのグレード等を変更するほかないといわれております。当然その選択肢は検討する必要があるのですが、せっかく上がった給与の減少等も踏まえて退職リスクを招くようなハレーションを引き起こしかねないため、策としては最後の選択肢にしたいと考えております。
このように、業務スキルへの期待値が事前の想定を上回り、スキルギャップが発生している中で、できるだけ役職やポジションの大きな変更を行わずに、サクセス事例を作り出す組織への転換についてどなたかアドバイスをいただけますと幸いです。
さりまりさん
奥村と申します。
nissheiyさんとのコメントも拝見させていただいたうえで、現在の状況を踏まえてコメントさせていただきます。
コンバートが難しい
役職変更が難しい
ということを前提とした場合ですと後は考えられるのは、
「一時的な外部の専門家を取り入れ」
という選択肢になるかなと思います。
私の経験ベースにはなりますが、若手を多く採用してしまった場合等は、戦略レイヤー等については、外部のハイクラス人材を一時的に取り入れて「脳みそ」になってもらうというのは、方法として十分選択肢になり得ます(入ってもらう外部の人材のスキルレベルさえ見極めを誤らなければという注意書きがありますが)。別に戦略面を必ずしも内製で対応する必要はなく、外部の経験者をうまく活用する選択肢は全然ありかなと思います。
(こういったことも含めて組織づくりや仲間集めだと思います)
また、実行レベルの底上げについても「該当のドメインに詳しい&エンタープライズセールスやPMで誰が見ても優秀」といういうような人を外部の業務委託等で調達し
何件かの顧客MTGを実際にハンドリングする方法を実際に見せてもらう
イメージが掴めてきたら、CSのMTGに同席してもらってFBをもらう
等で、一定の底上げは出来ると思います。
どのくらいの期間がかかるかは、商材特性やフェーズによるので明確には言えませんが、戦略面について脳みそを借りてくるのは、半年でそこそこの成果にはつながるので、予算が確保できるなら比較的コスパの良い方法かと思います。
業務委託等でうまく能力の高い人を連れてくるのはある程度お金がかかりますが、
優秀な人を正社員で採用してポジションに悩むよりもコストとしてはめちゃくちゃ安い
仮にイマイチな人がいたとしても契約自体はすぐ切れる
という方向転換は比較的やりやすい施策なのでありかなと思います。
一度検討してみてはいかがでしょうか?